第134章 為すべきこと<壱>
会議は恙なく終わり、あまねが退室した部屋には数珠をかき鳴らす音が響いていた。
「なるほど・・・。しかしそうなると、私は一体どうなるのか・・・、南無三」
悲鳴嶼の静かな声が見散る中、義勇は音もなく立ち上がった。
「あまね殿も退室されたので、失礼する」
そんな彼に、実弥はぎろりと視線を向けながら言った。
「おい待てェ、失礼すんじゃねぇ。それぞれ今後の立ち回りも決めねぇとならねぇだろぅが」
「六人で話し合うといい、俺には関係ない」
しかしそんな実弥に意も解さず、義勇はそう言った。
「関係ないとは、どういう事だ。貴様には柱としての自覚が足りぬ。それとも何か?自分だけ早々に鍛錬を始めるつもりなのか?会議にも参加せず」
伊黒の言葉に、義勇は答えることなく立ち去ろうとした。
「テメェ、待ちやがれェ」
「冨岡さん、理由を説明してください。さすがに言葉が足りませんよ」
義勇のあまりの態度に、実弥は思わず叫び、しのぶも彼を咎めるように言った。