第133章 光明<肆>
「ギィィャアアアアアアアアアア」
外から耳をつんざくような叫び声が響き、三人は思わず飛び上がった。
「この声は、善逸か?」
「噂をすれば何とやら、か。全く、人の鼓膜を破る気かよ」
後藤が顔をしかめていると、汐の口から小さく舌打ちの音が聞こえてきた。
「ちっ、うるせぇな」
汐は小さく呟くと、すっと音もなく立ち上がった。
「どこに行くんだ?」
後藤が尋ねると、汐は背中を向けたまま淡々と答えた。
「あいつ、締めてくる」
「!?」
汐の冷たい声に、炭治郎と後藤は全身に鳥肌が立つのを感じた。
「う、汐。やりすぎるなよ」
「いや、そこは止めろよ!お前の彼女だろ!?」
「流石に無理ですよ!粉砕されます!!跡形もなく!!」
涙目になる炭治郎を見て、後藤は心の中でひそかに先ほどの声を主の無事を祈るのだった。