第133章 光明<肆>
禰豆子が太陽を克服した。その噂は隠の間でも広がっていた。
人を襲わないというだけでも驚くべきことなのに、更に鬼の絶対な弱点である太陽まで克服した。
それによって何が起こるのか、今時点では全く分からないのだ。
「あっ、はい!太陽の下、トコトコ歩いてますね」
後藤の心配をよそに、炭治郎はあっけらかんとした表情で答えた。
「それってやばくね?マジでやばくねえか?今後とうなるんだよ」
すると炭治郎は、微かに表情を曇らせながら口を開いた。
「今、調べてもらっているんですけど分からなくて。人間に戻りかけているのか、鬼として進化しているのか・・・」
「胡蝶様が調べてくれてんの?」
「いや、珠世さんが」
「ちょっと、炭治郎!」
「たまよさんて誰だ?」
後藤がそう口にした瞬間、炭治郎はおにぎりを盛大に噴き出した。
「わっ!何やってんのよ馬鹿!大丈夫!?」
汐はすぐさま咳き込む炭治郎の背をさすりながら、水の入った洋杯を差し出した。
「おいおい!!やっぱり食いすぎだろうが!病み上がりなんだから、控えろよ!!」
後藤も慌てて炭治郎の背中を汐と共にさすった。
(あ、危なかった・・・)
青い顔で呼吸を整える炭治郎を見て、後藤は呆れた表情を向けながら言った。