第132章 光明<参>
時間はかなり遡り。
炭治郎はある日、ある人物から一通の手紙をもらっていた。
それはかつて汐と共に出会った、鬼でありながら鬼舞辻無惨を敵視する、珠世という女性からだった。
珠世からの手紙には、炭治郎が禰豆子と十二鬼月の血液を提供してくれたことへの感謝の意と近況報告がつづられていた。
かつて、浅草で悲運にも無惨に鬼にされてしまった男性が自我を取り戻し、無惨の支配を逃れ少量の血で生きているということ。
次に珠世は、禰豆子の血が短期間で何度も成分変化を起こしていることに驚いていることと、彼女の考察が記されていた。
禰豆子が未だ幼子のような状態でいるのは、自我を取り戻すよりも重要で優先すべきことがあるのではないかということ。
そして最後に、手紙にはこう綴られていた。
『炭治郎さん。これは完全に私の憶測ですが、禰豆子さんは近いうちに 太陽を克服すると思います』