第129章 強くなれる理由<肆>
同時刻。
玉壺の放った怪物たちは、手当たり次第に里の者を襲っていた。
詰が刃物のように鋭く動きも早い怪物たちに、里の者達は太刀打ちできず悲鳴を上げる。
その混乱の中を突如、桃と緑色の一陣の風が吹き瞬時怪物たちを両断した。
「遅れてごめんなさい!!」
里の者が顔を向ければ、そこには軽やかに舞う一人の女性の姿があった。
彼女の名は甘露寺蜜璃。鬼殺隊最高位の称号、柱を持つ剣士である。
「みんなすぐ倒しますから!!」
蜜璃はそう言うと、通りを塞ぐ怪物たちの壺を次々と斬り裂きながら飛ぶように駆け抜けていった。
「うおお、柱が来たぞ、凄ェ!」
「強・・・、速っ・・・」
「可愛いから忘れてたけど、強いんだよな柱って」
助けられた彼らは、呆然と蜜璃が去った方角を見つめていた。