第13章 春休みからの絶望と希望
「ねぇ…珠紀は進路どうするの?大学に行くとか言ってなかった?どこの大学にいくの?」
昼休みにお弁当を食べながら珠紀に垣内が言った。
「あたしさ…大学行かないことにした。」
珠紀はいつの間にか食べていたお弁当箱を片付けながら言った。
「え?じゃあ…進路どうするの?就職?」
桜庭が不思議そうに言った。
「まぁ、就職っていえば就職だけどさ…歌手になろうかと思ってる。」
「歌手?オーディションとか受けて働きながら目指すの?」
田代が少し驚いたように言った。
「ちょっとコネでね…卒業したらオーナー兼クラブ専属歌手になるの。とは言っても…今のオーナーにも手助けはしてもらうけど…」
「へぇー!!凄いじゃん!!」
垣内がそう言って微笑む。
「珠紀ネェさん…エヴァートーンっすか?」
田代がニヤニヤしながら言う。
「だ〜か〜ら〜ネェさんじゃないし。てか、タァコ…エヴァートーン知ってたんだ。」
「知ってますともっ!!そして、この前見てしまった!!珠紀がエヴァートーンのプラチナ会員だという事実をっ!!」
と田代がビシッという効果音がつく勢いで言う。
「あ〜…見られたか…」
珠紀は落胆していた。