第11章 旅立ち
二月末…3年生追い出し会が行われた。
珠紀も魔法使い役を歌って踊ってやり切った。
英会話クラブの部長は夕士に江上部長から託された。
次は予餞会だ。
片付けをしていると…
「なんだよ…黒猫にきまったんじゃないのか?」
予餞会の話をしていて夕士が言った。
「それが〜珠紀の言った通り…俺に任せてくれってさ。じゃないとやらないって口までとがらせて可愛ったらもう!!」
田代が嬉しそうに言う。
「いい大人が口とがらせるとか…ワケわからんわ。」
珠紀がいつもの無表情で言った。
「そういうところも好きなんでしょ~?それこそ、文化祭の珠紀が歌った曲の歌詞の通りじゃ〜ん!
」
と田代がしたり顔で言う。
「もしかして…薄々気づいててあの選曲なわけ!?」
珠紀は動揺しつつ言った。
「ふふっ…当たり前~」
と満足そうに微笑む田代。
「マジかいな…2人とも恋愛ソングだから可笑しいとは思ってたけどさ…」
珠紀はそう言ってため息をついた。
「ふふっ…まぁ、結局…何やるかはあたし達にもシークレットになっちゃったけどね。」
と少し困った様子で言う田代
「あたしは教えてもらってないけど予想はついてる。」
と珠紀がドヤ顔で言う。
「知ってるならおしえてよーー!!」
と田代が不満そうに言う。
「教えない。」
と珠紀が微笑んで言った。