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真っ直ぐ向いて歩けばいい

第10章 修学旅行!!②



寿荘に帰ると修学旅行での出来事を話した。

「珠紀が取り憑かれるとはねぇ…もしかして…珠紀…」

「さすが…一色さん…それです…最近、頻度が多くて…」

夕士と長谷は黎明と珠紀の会話についていけていない。

「あれ?珠紀ちゃん…夕士くんと長谷くんには話してないの?」

秋音が珠紀に言った。

「うん…タイミング逃してるっていうか…秋音ちゃん…お願い…上手く言える自信ない…」

何故か俯いて耳を真っ赤にしている珠紀。

「もう…しょうがないな…」

秋音はそう言って話し出した。

「珠紀ちゃんはね。猫又っていう妖怪の血を引いてるの。だからね…猫と同じように発情期っていうのがあって…珠紀ちゃんは人として生活している時間が長いから普通のみんなが知っている猫とは違ってランダムに発情期がくるの。修学旅行とそれが重なっちゃったみたいね。」

秋音はそう言ってカップに入った飲み物を飲んだ。

「発情期の時はいつも龍さん並に霊能力が強い珠紀でも霊能力が0になっちゃうの…だからそこに付け込まれたってことだね。」

黎明が付け足すかのように言った。

「ごめんね…黙ってて…」

「別に気にすんなよ。」

夕士は落ち込む珠紀にそう言って微笑んだ。
夕士と長谷の耳が少しだけ赤かったのは気にしないでおこう。


こうして波乱の修学旅行が終わった。

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