第7章 文化祭当日!!
文化祭当日。
珠紀は神谷に講堂の裏に千晶と共に呼び出された後にフラ~と校内を回っていた。
「あ……みんな来てる…」
寿荘の住人をチラホラと見かけた。
「佐藤さん…何してんですか…」
「あ〜珠紀ちゃん!!このたこ焼き美味しいよ〜」
と言いながらたこ焼きを頬張る佐藤さん。
「さっき、食べました。はぁ~…もう、なんで来ちゃうのさ~…」
珠紀は明らかに嫌そうな声をあげた。
「オイラさ、学生やったことないから1度でいいから文化祭って来てみたかったんだ!!」
佐藤さんはすごく楽しそうだ。
「そうですか…ちょいと問題おきるかもしれないから覚悟しておいて。佐藤さん、楽器できるよね?」
「できるけど…なんか起こるのかい?」
珠紀の言葉に焦った様子の佐藤さん。
「さっき…講堂の裏でコソコソと金属バット持った男子生徒がうろついてたんです。何かやらかしそうだなって…邪魔するなら、電気系統を壊しそうだなって…」
淡々と言う珠紀。
「珠紀ちゃんはやっぱり凄いね。流石、龍さんの弟子なだけあるよ。いつも、何を見ても冷静に判断して伝えられる事はそれとなく伝えてくれる。」
佐藤さんはそう言って微笑んだ。
「そうかな?あたしは自分ができることをしてるだけ。あたしには…もう、歌と恋人とこの不思議な能力しか残ってないから…両親はあたしを預けて1度も手紙も連絡することもしてこないし…会いにも来ない…捨てられたも同然だから…」
「大丈夫。珠紀ちゃんの家族はオイラたち…寿荘のみんなだよ。」
「ありがとう…佐藤さん。さてと、あたしはそろそろ行くね。英会話クラブの出し物があるんだ。」
珠紀はそう言って立ち上がった。
「うん。頑張ってね。」
「はーい!」