第16章 冬休みーー!!そして、旅立ち
次の日…
「みんな、お世話になりました!!」
珠紀はそう言うと頭を玄関に集まる寿荘の住人たちに下げた。
「千晶くんと幸せにね。」
と黎明が微笑んで返してくれた。
「珠紀…卒業おめでとう…それと、結婚おめでとう。君に報告があるんだ。クリとシロが成仏したら、君たちの子供として転生させることが決まったよ。」
「へっ!?師匠っ!!ほんとっ!?」
珠紀は衝撃的なことを言った龍さんの言葉に驚きながら言った。
「うん。本当だよ。クリが自ら望んだんだよ。」
龍さんは微笑んで言った。
珠紀は泣きそうになっているクリの傍にいくとクリの目線になるようにしゃがんだ。
「クリ…遊んであげることがなかったよね…ごめんね…それなのにあたしの所でいい?夕士くんや長谷くんのとこじゃなくていい?」
と言った。
クリはシロが次々と持ってくるおもちゃやぬいぐるみを置いていき、全て置き終わると泣きそうな顔のまま指を指した。
「これくれたの君でしょ?ってこと?」
珠紀がそう言うと…
「あとぅ…」
とついに泣いてしまっている顔で微笑んだクリが言った。
ありがとうと言いたいのだろう。
「どういたしまして…」
珠紀はそう言ってクリとシロに微笑みかけた。
珠紀は寿荘をたびだった。