第3章 透き通るように【時透×未来人】
だけど、面白いなこの人達。
私もこんな人になれるだろうか。
誰にも嫌われず、生きて行けるのだろうか。
「花怜ちゃん!」
無一郎君に呼ばれて私は気付いた。
体が光っていたのだ。
ヤダ、戻りたくない。
「花怜ちゃん、頑張って生きてね。僕も鬼として鬼に戦いながら生きていくから」
無一郎君は体が薄くなる私を抱き締めてくれた。
「ありがとう、無一郎君。大好き……」
「僕も……」
目を覚ますと、そこは病室だった。
「花怜さん!」
目の前には泣いている大好きな人の顔があった。
今気付くと、貴方はあの子と同じ名前だったよね。
「ごめん、俺がいけなかったんだ。俺がお前を犯罪者って決め付けたから……」
私は彼の手を握った。
「私は大丈夫ですよ、無一郎先輩」
END