第1章 嫌われ者鬼師匠1【冨岡×新弟子】
俺は嫌われ者だから、居なくなっても誰も悲しまない。
だから、俺は自殺するんだ。
サヨナラ、俺。
刀を出した時だった。どこからか音がした。
「鬼になるのはどうか?水柱」
目の前に居たのは、鬼舞辻無残だった。
「鬼なら人間を越えるのも容易い。注目を集められる。お前は好きように生きれるのだ」
好きなように生きれるのか……。
鬼も悪くないと俺は思ってしまった。
全て失ったのは鬼のせいなのに。
「人を食い尽くせ。冨岡義勇」
そう言って、鬼舞辻無残は俺の首に爪を刺した。
熱いものが流れてくる感覚に俺は意識を失っていた。
気が付くと、真っ暗闇の夜であった。
通行人を見付けて、早速食べてみようと思った。
手を伸ばし、食らい尽くした。
人間とはこれほど美味しい物なのか。
今までに感じたことのない感覚に、身も心も強くなった気分だった。
俺は本当に鬼になってしまったようだ。
これから俺は自由に生きてやる。
俺は本当の嫌われ者だ。