第7章 派閥と内毒
薄く開いた唇を指先でなぞる。
(全て、俺のモノに…)
独占欲とか支配欲とか征服とかそういう欲望でなく…
(もっと……)
刻みつけるような
(近い距離で、深く…)
喉の渇きを潤す為に
月明かりに浮き上る金髪。
そして白い首筋。
吸い寄せられるように、首筋に唇を当てた。
「…ん…」
(叱責の時、少々の怒りに任せて、コイツの身体をどうかしてしまおうと思った…)
ルシエトは理性と本能の狭間で、ジリジリとした想いと時刻を過ごした。
独り思い悩むルシエトとは対照的に、
側室宮の広い寝台の上では、
王の横に2人の女が裸で寝そべっていた。
その隣りの寝台では、薄い天蓋の向こう側で、別の女と男が身体を絡めて、腰を揺らし踊っていた。