第7章 派閥と内毒
それが、こんなにこの人を怒らせるなんて思っていなかった。
「…す…すみ、ません…ルシエト様…すみま…せ…グズッ…ふぇ……」
「…チッ……もういいっ、退がれ!」
泣き出してしまった私に声を荒げたルシエト様。
私は追い払われ、泣きながら部屋へ戻った。
エリアルを退がらせ、暫くすると
「ルシエト様、お着替えをお持ち致しました」
ファロマがエリアルの代わりに着替えを持ってやって来た。
「失礼致しますね」
水を絞った布で俺の身体を拭きながら、
ファロマが話す。
「エリーはもう寝たようですよ」
「……」
「エリーが側室離宮へ手伝いに行った事、
それほどお気に召しませんでしたか?」
何となく、ファロマの声が笑っているように感じる。