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砂漠の白い花
第6章 王子と奴隷女
ギスギスした気持ちのトコロに柔和な声が俺の名を呼んだ。
「ルシエト様
お着替え お持ちしました」
王宮の侍女のように畏して、硬い声でも、
俺に取り入ろうと媚び諂う女の様な、
甘いしなのある声でもない。
「エリーか」
エリアルの愛称だ。
家族からそう呼ばれていたらいし。
遭遇した嵐で難破した船で両親は死んだと思う、
と堪えても溢れる涙を流しながら話してくれた。
ナジャールからは
独り流れ着いて自分達が保護したのだと聞いた。
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