第5章 王都王宮
故郷ギリシアから遠く離れた異国の地。
お父様もお母様も、きっと、嵐で…。
帰れる希望は…ほぼ、無い。
そして、私は、ギリシアが敵視していたこの地で、奴隷となるんだわ……。
奴隷って、何をさせられるの?
絶望的。
涙が溢れた。
家族がいなくなった。
奴隷にさせられる。
私に自由は無い。
もう、戻れないのだ…。
ギリシアでの生活が懐かしくて、
戻れるなら戻りたくて、涙がポロポロと溢れた。
寝台に顔を埋めて泣いているうちに、
旅の疲れと、部屋に独りになった安堵からか、エリアルは眠ってしまった。