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砂漠の白い花

第5章 王都王宮




「…申し訳あしません、王子にお出しできるようなものなど、無くて……」
「お魚があるよ!
父ちゃんの取った魚、美味いんだからっ」
仕切りに恐縮する父と母をよそに、
息子ハラルは自信満々にそう言って、
ルシエトに笑いかける。
真っ直ぐに純粋な笑顔を向けられたルシエトは
「そうか、ハラルも手伝ったのか?」
「僕は〜」
「その気持ちが大きな手伝いだ。
よし、ハラル、魚を振る舞え」
わざと尊大に行って見せたルシエト。
「兄ちゃん、なんでそんな偉そうなんだよぉ〜」
口を尖らせているハラルに、父親が慌てふためいた。
「こっ、コラ、ハラルっ。そんな口を聞くもんじゃない!この方はっーー…」
「俺は、このエジプト国の第一王子
ルシエトだからな。
偉そうにするんだよ。
そして、この後から、お前達の主人となる。
仲良くしてくれよ」
威厳がありつつも、子供には優しい笑顔で手を差し出した。


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