第14章 〈勝デク〉ロマンチックな夜なんて似合わないけど
「あー! 楽しかったね!」
12月24日。今日は久しぶりのオフ。恋人に言われて、ほぼ無理矢理もぎ取った年休だ。本当は町中が浮かれて、その隙をついて敵も活動が活発になる日だから働こうと思っていたけど、彼がどうしても休みを取れって言うから先輩たちに頼み込んで休ませてもらった。
天気は奇跡的に雲1つない晴天で、12月の割には暖かくて防寒具はほとんど必要なかった。向かった場所は『東京ディズニーシー』。クリスマス・イヴなこともあって、たくさんのカップルで溢れていた。
事前に彼と考えたプランで丸1日、遊びまくった。アトラクションに乗って、ご飯を食べて、お土産を買って、ショーを見て、キャラクターたちと写真を撮って……とっても充実した1日を過ごした。
「……」
そして、閉園後……ディズニーシーを一望できるホテル『ミラコスタ』の1室のベッドの上で仰向けに寝転んでいる。天井にはキャラクターたちが正座になっている様子が描かれていて、とても綺麗だ。
「おい、デク。ちゃんと髪、乾かしたんか」
「あ、かっちゃん」
僕の後にお風呂に入った彼がツンツンしている自分の髪の毛をタオルで拭きながら出てきた。