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【僕のヒーローアカデミア】1-A腐女子会

第7章 〈勝デク〉僕じゃダメなんだ


 ーー作戦はこうだ。僕の個性と飯田くんのレシプロで、まず推進力。そして、切島くんの硬化で壁をぶち抜く。開けた瞬間、すぐ様、轟くんの氷結で道を形成してほしい。なるべく高く飛べるよう。敵は僕らに気付いてない。これまで敵に散々出し抜かれて来たけど、今僕らがそれをできる立場にあるんだ。そして、手の届かない高さから戦場を横断する。敵のボスはオールマイトを食い止めてる。これはつまり、逆もまた然り。
 僕の考えた作戦通りにみんなが行動する。
 ーーそしたら、切島くんだ。
 自分で言っておきながら、また胸が痛む。それはドロドロと黒い塊になって重く軋む。
 ーー僕じゃダメだ。轟くんでも、飯田くんでも、八百万さんでも……入学してから今まで、かっちゃんと対等な関係を築いてきた、友達の呼び掛けなら……。


「来い!」


 切島くんが手を伸ばしながら、精一杯叫ぶ。
 ーーきっと……。

バッコーン!

 後ろで大きな爆発音がした。それとともに、凄まじい勢いでかっちゃんが飛んで来て、切島の伸ばした手を掴む。


「馬鹿かよ……」


 心に大きなトゲが突き刺さる。
 嬉しそうに笑う彼。
 僕じゃ絶対に成功しなかった。切島くんじゃないと、ダメだった。小さい頃からずっと一緒なのに、僕は彼の友達じゃないから。
 
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