第5章 〈勝デク〉お前の気持ちがどうであれ
「……」
ただ、なんとなく……あいつとオールマイトは特別な関係ということだけはわかった。ーーそれに対して、自分がどう思っているのかも。
(どこで間違えたんだろうな……)
小さい頃はいつも一緒にいた。小学校の時も。中学校の時から、なぜかデクと話さなくなった。それは今も続いて、解れた糸のように拗れて……。
(もう少し、早く気づいてたら……)
ーーずっと、俺のものだと思っていた。ずっと、近くにいるものだと思っていた。ーー誰かに取られるなんて、思いもしなかった。
「相手はオールマイトか……」
(まあ)
「俺はオールマイトを超えるNo.1ヒーローになるから、ちょうどいいか」
ーーオールマイトを超えることで、あいつを奪い返す。ーーそう、心に決めた。
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