第5章 〈勝デク〉お前の気持ちがどうであれ
あの日、オールマイトがオール・フォー・ワンと戦った後。あいつは街にある大型テレビの前で1人、泣きじゃくっていた。本来なら、オタク精神とオールマイトの信者だから、感動して泣いたからなのだと思っていた。でも、違った。
『次は 君だ』
その瞬間、あいつの目にはまた涙が溢れた。これも、普段のオールマイトの行動からしてみれば、敵(ヴィラン)に対して言ったのだと思っていた。でも、自分の直感が違うと言っていた。どうしてかはわからない。確信はない。でも、そうだと思った。
「……」
俺は隣にいるあいつを見て、何も声をかけずにあいつの手を引いて歩いた。
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