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キンモクセイ(進撃の巨人)《エルヴィンBD》

第4章 告白


『そんなに手を握っていたら血が出るだろう…。涙も拭きなさい』

左胸に置かれた拳をエルヴィンに握られ、引っ張るように手を引かれてエルヴィンの胸の中に収まる。
何が起こったのか分からないアキは一瞬で涙が止まる。

『アキは…私が君に退団するように言うと思ったのか?調査兵団なのに私情挟んだ兵士は不要と思ったのかい?』

コクコクと黙って何度も頷く。
すっぽり収まるアキに可愛さを感じたエルヴィンは更に抱きしめる。


『そのまま私の話を聞いてくれ。私がハンジに許可をしなかったのは前線に出ると高確率で巨人と遭遇する。生存率も他より下がるのは知っているだろう。そんな場所にアキを配置したくなかったのだよ。いくら、新兵の中でも強いといってもね。。意味分かるかな?』

アキは暫く黙っていたが、また首を振る。



『団長なら優秀な君は前線に行くべきなんだ。だが、エルヴィン・スミスとしてはアキに前線に行ってほしくないんだ。団長剥奪するぐらいの私情だろう?』



エルヴィンがそこまで言うとアキはバッと泣き顔を腫らしたまま驚いた顔をあげる。
涙が残る目尻にエルヴィンはそっと涙を指で拭う。



『アキ…君が好きなんだ。新兵でも私を怖がらずに接してくれ、君の働きはいつも幹部達に信頼されている。アキが笑顔で団長室に来てくれることが私の楽しみだったよ』


止まっていた涙がまた溢れ出し、エルヴィンは苦笑いしながら何度も涙を拭ってあげる。


『エルヴィン団長…大好きです』

『あぁ、私もだよ…アキ』


2人は見つめ合い、そっと触れるだけのキスをする。
瞬間、風が吹きキンモクセイの花が舞い2人を包んだ。








『さて、アキの次の壁外での配置は私の目が届く範囲にしよう。彼には申し訳ないけど、アキは私のものだからね』

思わぬ発言にアキは顔が赤くなる。彼とは先程告白してきた同期のことだとアキは理解した。

『は、はい!最善を尽くします!早く資金調達出来るといいですね!』

『…あぁ、君にはまだ伝えてなかったね。資金繰りがなんとかなって3週間後に壁外調査行くことになった』



『3週間後って……え!団長の誕生日の日じゃないですか!』

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