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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第1章 生まれと出会い











唐突に思い出した





その日は暖かな日差しが差し込む

心地のよい日だった





空を自由に飛ぶ鳥達




窓から降り注ぐ光の雨





それに照らされキラキラと輝く


妹の真っ赤な髪






何もかも輝いてみえて







妹の髪を梳く手が思わず止まる







その記憶はふわり、風に靡くカーテンのように


姿を現し、私になにかを伝えた







私の全て




私の生い立ち





私の ------------ 前世

















私の最期の日




私は大好きなアニメのDVDを買って

物凄く浮かれていた





最近仕事が忙しかったし

久しぶりの休みはこれ見て癒されるぞー






これからの楽しみに微笑みが抑えられず
すれ違う人に怪訝な顔をされながらも
帰り道を急いだ




"赤髪の白雪姫"




前から見ていたアニメがとても面白くて
少しだが漫画も買ってしまった



ついでにアニメの方のDVDも



視聴率に関係ない私は
少しでも制作会社へ貢献し、是非続きをと


そんな思いで









通過列車が通りますお気を付け下さい --------








駅まで買った袋を大事に大事に抱えてきた


今日はちょっと晩酌でもしながら
DVDを見て

漫画は明日だなー




「…ふふっオビ大好き」




可笑しいと言われるだろうが


アニメの中の男の人に、恋をしていた



夢溢れる物語の中で


何があっても自分を曲げない登場人物達



熱い、目をしたあの人に


私は心奪われてしまった






「こんなんだから最近彼氏も出来ないんだよねー…」





周りはアニメばかりみてる私に呆れ顔


もう合コンなんて久方行ってないし
仕方ないのかも知れないけど




それでもいいんだ


私は今オビが好きで、恋してるから




ぎゅっと強く漫画を抱き締める





「オビ…」





ああ…早く貴方の声が聞きたい














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