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With me

第10章 キスされても知りませんよ



第10章 キスされても知りませんよ




緊張して眠れなかった…

今日は、浦原隊長と…

顔を洗って、夜一さんの言っていたことを参考に白地の着物に着替える

口紅は桃色…頬紅も少し…

ちょっと気合い入れすぎ…かな


はぁー緊張する…


「紫苑サーン、迎えにきましたよン」

「はい、今開けますっ」


ガラッと襖を開けるとそこには、深い緑色の着流しを着た隊長が立っていた


「おはようございます、紫苑サン」

「……」

「紫苑サン?」


着物の合わせは少しはだけて、厚い胸板がチラチラ見えて…


「……かっこいい」


無意識に呟いていた


「もしかして見惚れちゃいました?」


その言葉に紫苑の頬は頬紅よりも赤くなる


「紫苑サンも凄く似合ってますよ、可愛いっスね」


そういうこと言われると…照れちゃいます…っ

最初っからこの調子だと今日1日もたない…


「じゃあ、いきましょ」

「あの、今日はどこに?」

「秘密」


2人で歩いていると、まわりの人がチラチラ見ている


「みんな隊長のこと見てます…」

「紫苑サンを見てるんスよ」


ボクの好みの着物を着て、小さな歩幅でテクテクと歩いてついてくる

ほんのり赤い頬に、つやっとした桃色の唇…

一目見た途端、そのまま唇を奪ってしまいそうだった…

ほんの短期間で気持ちが膨れ上がってるのが分かる

誰にも渡したくない

ボクだけのものにしたい

そう言ったらアナタはどんな反応するだろうか…


「紫苑サン、着きましたよ」

「着物屋さん?」

「今日は浴衣を選びにきたんスよ」

「浴衣?隊長のですか?」

「ううん、紫苑サンの」


そのあとすぐ隊長の顔が耳元にきて


「夏祭りで着てくれる?」


って囁いてきた

その時隊長の唇がほんの少し私の耳に触れた気がして、私は咄嗟に顔を離して耳を押さえた


「た、隊長が選んでくれるんですかっ?」

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