第59章 Swear eternity
結局居なくなっちゃいましたけどね…
と、シュンと肩を落とすから、なんだか悪いことしたみたいになっちゃって
「でも今、此処に居てくれてるじゃない」
手を伸ばせば届くところに居る
それって、凄く幸せなことだよね
「ずっと居ますよ。飽きるくらい。アナタの傍に」
指輪に誓いのキスを落とした
「喜助さん」
「ん?」
ずっと一緒に居ようね
喜助は優しく微笑んだ
…─
「ただいま」
「お帰りなさい!紫苑ー!」
飛び付いてきたのは琴乃
琴乃は紫苑の指についた指輪をしっかりと確認すると、パァッと表情を明るくした
「おめでとぉー!!」
「ありがとう!」
自分のことのように喜ぶ琴乃
見せて見せて、とはしゃぐ2人を横目に喜助は荷物をおろした
「上手くいったみたいやな」
「おかげさまで」
柱にもたれかかる平子にちゃっかり荷物を渡す喜助
すると平子に手招きをされた
「?」
琴乃と紫苑から見えるか見えないかくらいの位置
角を曲がったそこで平子は小声で話し始めた
「…のか?」
「はい?」
声が小さくて聞き取れない
喜助が耳を近づけると
「せやから…」
照れたように髪をくしゃっと掻く
小さく息を吐いてもう一度繰り返す
「俺にも指輪、作れんのかって聞いてんねん…」
「平子さん…それって」
「あーやっぱ後でエェわ!後で!」
「フフ…手取り足取り、教えてあげますよン」
「…気持ち悪ゥ」
「気持ち悪いってなんスか、教えませんよ?」
「スンマセン…」
そんな彼の気も知らず、次に指輪を受けとるであろう彼女は楽しそうに笑っていた
With me
fin.