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With me

第58章 聞いてました?アタシの話



第58章 聞いてました?アタシの話



な、なんで俺は壁ドンされてんだ…


「聞いてました?アタシの話」



数分前─



学校の帰り道でバッタリ、うん多分…バッタリ

浦原さんに会った


「お帰りなさいっス」


なにがお帰りなさいだ


俺は知ってる

あの目は、恐ろしい目だ


「なんか用か?」

「えぇ、単刀直入に言いますね」


杖をコツンと地面に突いて、俺をまっすぐ見る恐ろしい目


「紫苑のことは諦めてください」

「なっ…なんだよそれ」

「そのままの意味っス」

「怒ってないんじゃなかったのかよ……それに俺、やっぱりアイツのこと…」


ドスンっ!

と杖なのに図太い音がしたと思ったら、俺の顔スレスレに杖を突き立てていた

これは杖は杖でも仕込杖

この杖の下には浦原さんの、切れ味抜群の斬魄刀がある…

一護の額から冷や汗が流れ落ちる


「分かんない人だなぁ」


怖い怖い

あの時の目だ

俺を見下ろした時のあの目だ


「聞いてました?アタシの話」

「す、好きでいるのは勝手だろ?」


一度杖が引かれたと思ったら、更に図太い音でコンクリの壁が軋んだ気がした


「アナタに紫苑を好きでいられると、紫苑が困るんスよ」

「べ、別に困らせるようなこと…」

「あの子は優しいから、人が傷つくのが嫌なんス。だから黒崎サン、アナタのことも突き放せない」

「…紫苑が、俺のこと突き放したいと、思ってるっていうのかよ…」

「紫苑の傍にいる男は、アタシだけでいいんスよ」


返事になってねぇよ…


壁についた杖は更にミシミシと音をたてる


「その辺で勘弁しといてやり、喜助」

「平子サンじゃないっスか」


喜助はゆっくりと壁にめり込んだ杖をおろした


「た、助かった…」

「全く、お前は昔っから、紫苑のことになると熱くなりすぎやで」

「平子サンに言われたくないっスけどねぇ」

「一護もそろそろ、分かったやろ」


一護は悔しそうに唇を噛んだ


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