第56章 愛されてんだな、お前
「紫苑のこと…知らなかったとはいえ、本当に悪かった」
「…顔を上げてくださいよ」
その言葉に一護はゆっくりと顔をあげた
「怒って…ねぇのか?」
「まぁ、紫苑に怒らないであげてってお願いされちゃいましたし」
「そっか…それで紫苑は?アイツにもちゃんと謝りたいんだけど…」
「紫苑は今尸魂界に行ってます。疲れてると思うんで…日を改めてもらえます?」
一護は残念そうに肩を下げた
「あぁそうだ、黒崎サン。近いうち技術開発局に行ってきて貰えます?」
「技術開発局?」
「阿近サンに話しは通しておくので、行けば分かりますよ」
「あ、あぁ…」
「さてと、アタシは紫苑を迎えにいきますんで」
牽制するように、立ち上がって高い位置からそれとなく見下ろす
「ならここで待たせて…」
「言ったでしょう?疲 れ て る ん スよ」
俺を見下ろす目が、まるで刺すように痛い
「わ、悪ぃ」
「あんまり、あの子に負担かけないでもらえます?黒崎サンたちには見せないだろうけど、あぁ見えて、無理してるとこありますから」
何も、言えなかった
負担てなんだよ
告白することが負担なのか
いや、俺が触れてしまったことか
くそっ!どうすりゃいいんだよ…