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With me

第54章 本気になる前にやめとき



「それじゃあ浦原さん、私そろそろ戻りますね」


階段から降りてきた勇音は琴乃と平子にも気づき、頭を軽く下げた

勇音に続いて紫苑も降りてくる


「紫苑さん大分調子良さそうなので、もう一日くらい休めば元気になると思います」

「勇音さん、本当にありがとう」

「気をつけて帰ってくださいね」


さりげなく紫苑に羽織をかける喜助


本当、羨ましいくらい素敵なカップル…


「今度尸魂界に来たときは顔出してくださいね」


そう言って勇音は商店を出た


「起きてきて大丈夫っスか?」

「勇音さんも言ってたでしょ。調子良いの」


ニコッと笑う紫苑に安心した

なんの話しをしてたのか、結局聞けなかった


「お腹すいちゃった。琴乃ーなんかないー?」

「私はおやつ製造機じゃないんですけどー」


全く怒ってるように感じられないいつも通りの声で、紫苑のおやつを考え始める琴乃

卓袱台の前に腰をおろす紫苑

その隣に喜助が座る


「…喜助さん近くない?」

「だって寂しかったんスもん…」


ずっと虎徹サンと喋っていた

遠慮していたのもあって、むしろ抱きつきたいくらいだ


「ごめんね」


紫苑は優しく笑って、喜助の肩に頭を預けた


一緒に居るのが気心知れた琴乃サンと、平子サンだからだろうか…

人前ではあまり甘えてこない紫苑の行動に、思わず胸が高鳴った


「好きだよ、喜助さん」


ドクン


また胸が鳴った


ボクにしか聞こえないくらい、小さな声で

不意に言われた愛の言葉

どうしてこんなに夢中にさせられるのだろう


「…心臓に悪いっス」


喜助は照れて、向こうを向きながらも紫苑の頭に手をのせた


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