第8章 デートしてくれませんか?
第8章 デートしてくれませんか?
目が覚めたらそこは四番隊だった
「紫苑!」
ゆっくり目を開けるとそこには琴乃がいた
「琴乃…」
よかった…と琴乃は安堵した
「ずっと、1人で悩んでたんだね…」
「琴乃を…守りたかったから…」
「私のこと守ってくれても、紫苑がこんなんになっちゃ…嬉しくないよ…」
琴乃の目が潤んでいた
短くなった髪、少し痩せた体、所々残るアザ…
なんでもっと早く動けなかったんだろう…
「琴乃…泣かないで…琴乃はなんにも悪くないんだから…」
「親友なのに…もっと早く気付いて、助けてあげられなくてごめんね…っ」
「その気持ちだけで凄く嬉しいよ」
ニコっと笑った紫苑を見て、琴乃も思わず笑みがこぼれる
「髪、一緒だね」
「お揃いだね」
フフッと笑う2人がいた─
…─
翌日─
「紫苑サン!気がついたんスか?」
大きな足音と共に入ってきたのは喜助だった
紫苑を見るなりその体を自身の体で包む
「た、たいちょっ」
「よかった…」
傷は?痛む?たくさん心配され、たくさん謝られた
全部全部私が悪いのに、なんだか申し訳なくなる
「邪魔すんでェ」
「平子隊長!」
「平子サン!」
「紫苑が目ェ覚ましたって聞いてなァ」
次に平子は紫苑に向かって頭を下げた
「ウチのがホンマにすまんかった」
「ウチのって…」
「紫苑サン苛めてたの、五番隊の隊員たちだったんスよ。元々十二番隊に居たから、沙也加サンとは知り合いだったんス」
あの人たち五番隊だったんだ…
「謝りたいって来てるんやけど、どないする?紫苑が嫌なら無理せんでええよ」
あまり気は進まない…でも謝りたいと来てくれている…それを無下にはできなかった
「はい、大丈夫です」
それを聞いた平子は廊下のほうを、見て声をかける
「入り」
ゆっくりと、申し訳なさそうな顔をした3人が部屋に入ってくる
その瞬間紫苑の体がビクッと強張る
「紫苑サン?」