第51章 The DiamondDust Rebellion
女を弾き飛ばした一護は、そのまま女に向かって月牙を放った
「!?なんなんだよ!お前っ」
だけどその月牙を受け止めたのは、女を守るように立つ紫苑だった
「お願い……この子を傷つけないで……っ」
今度は紫苑が月牙を弾き飛ばした
そして、一護に向かって間合いを詰める紫苑
「くそっ」
紫苑と一護の斬り合いを見ていた冬獅郎は叫んだ
「西園寺、もう止めろ!」
「邪魔しないでください!日番谷隊長」
二人の間に入ろうとした冬獅郎を紫苑は声で制する
なんだこの既視感
何処かで…
いや、こいつの闘い方…俺は知っている…
なんだよこれ…
まるで…
「もうこれ以上…傷ついて欲しくないの…」
独り言のように呟く紫苑
突然現れ、冬獅郎に西園寺と呼ばれたその女の闘い方はまるで、以前自分に稽古をつけてくれた師匠の闘い方そのものだった
「お前、もしかして…」
その瞬間、紫苑の顔が歪み、その腹部には刀が突き抜けていた
「……っ」
「おい!大丈夫か?」
紫苑の後ろに立ち、刀を握っていたのは仮面の女だった
「琴乃……っ」
腹部を貫いた刀に手を添えながら、紫苑は後ろを振り返った
「私はあなたなんか、知らない」
酷く冷たい声
「……えっ?」
驚いた紫苑から容赦なく刀を抜くと、血飛沫が上がる
声を上げる紫苑に構いもせずその勢いのまま大きく振り上げ、紫苑に向かって再び振り落とした
咄嗟に目を瞑った紫苑は、いつまでも痛みが来ないことに気づき、ゆっくりと目を開けた
「アカンなァ…例え忘れとっても、して良いこととアカンことの区別くらいつくやろ。なァ…琴乃」
琴乃の後ろに立っていたのは、眩しいくらいの金髪、すらりとした長身…
「平子……たいちょ?」
「平子!」
「なんで…お前がっ」