第47章 胸が張り裂けそうだよ
第47章 胸が張り裂けそうだよ
「喜助さん、ちょっと出かけてくるね」
「はい。え?」
明日の遊園地を下調べしていたらしい
矢胴丸サンから借りてきた観光名所やら、テーマパークの情報誌を眺めては目をキラキラとさせていた
あの人がエロ本以外を持っているってのも意外っスけど
「だって明日デートに着ていく服がないの」
「確かに、まだ浴衣か死覇装しか無いっスもんね」
「うん、だから買いに行ってくる」
「ボクも一緒に行くっス」
「だーめ。可愛い服着てびっくりさせるんだから」
ちょっと照れながら言う彼女
あぁ可愛い…
ボクのために可愛い服を探しに行くなんて
「でも1人で行くんスか?危ないっスよ」
「乱菊さんが付き合ってくれるって」
松本サンか…
まぁ彼女も副隊長だから、その辺は安心していいか…
「じゃあボクも買いに行ってこようかな」
「喜助さんは持ってるんじゃないの?」
あの作務衣と、寝巻き以外はほとんど見たことないけど現世生活が長いから、きっとあるはず
「普通の服もあるにはあるんスけど、せっかくのデートだから新調しようと思って」
「じゃあ楽しみにしてるね!あ、美人な女の人ばっか見ちゃ嫌だからね」
「はいはい」
その時外から乱菊さんの声がする
『紫苑ー!来たわよー』
「はーい今行きます!」
そして喜助に振り返って
「じゃあ喜助さん、行ってきます」
「気をつけて。18時までには帰ってくるんスよ~」
「はぁーい!」
「あとあんまり走っちゃダメっスよー!」
今日はとりあえず夜一さんの箪笥から、なんとかまともそうなものをひっぱりだして借りて着た
昔は喜助さん、白地が好きだったけど現世の服はどんなのが好みかなぁ?
聞いておけばよかった