第41章 幸せだったのはボクのほうだ
この世界に居る限り、紫苑様は死ぬことはできない
私がそれをさせない…
「紫苑様を眠らせたのは、喜助様の優しさですわ…」
「そう…ね」
「紫苑様…」
「ごめんね……もう、疲れちゃったよ…」
「紫苑様!気を強く持ってくださいませ!」
「もう無理だよ…」
喜助様…早く、来てくださいませ…
「喜助様に、会いたくないんですの?!」
「喜助さん…………に」
眠りについたあの日から、毎日泣いていた
泣いても泣いても枯れることのない涙
"迎えにくる"
喜助さんのその言葉だけで、ここまで此処で生きてきた
だけど
100年…その年月に私は不安を覚えた
もしかしたら、私を忘れているかもしれない
もしかしたら、違う大事な人ができたかもしれない
もしかしたら、迎えに来ないかもしれない
私を忘れていても
違う人を好きでも
もう一度だけでいい
喜助さんに
「会いたいっ」
今日も私の目から溢れる涙を、雪姫が拭いてくれた