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With me

第6章 初恋の人に似てる



第6章 初恋の人に似てる




「遅いぞ喜助!!」

「スミマセン夜一サン、平子サンに捕まって…」

「は、初めまして四楓院隊長!十二番隊の西園寺紫苑です!」


まさか二番隊の、隊長に会わされるとは思わなかった

しかも四楓院隊長といえば、四大貴族のひとつ四楓院家の現当主…

雲の上のような存在だ


「おーお主が紫苑か。大きくなったのー」

「え?四楓院隊長、私のことをご存知で?」

「固いのは嫌いじゃ、夜一でよい」


私の質問は完全にシカトされてる…


「しっ、しかし!」

「儂が良いと言うてるのじゃ」


紫苑にもの凄く顔を近づけて、低い声で威圧的に囁かれる

ひよ里さんみたいだ

紫苑は困って喜助のほうを見る


「いいんじゃないスか」

「よ、夜一…さん」


よし、と夜一は紫苑の頭をわしゃわしゃとなでる

夜一は座り直し、紫苑に話しかける


「呼びつけてすまなかったの」

「あ、いえ」


夜一さんが呼びつけたの?

夜一はもう一度紫苑に近づき、紫苑の顔をゆっくりと眺める


「夜一サン、見すぎ」

「まぁそう妬くな喜助」


紫苑は夜一から目が離せず、ぐぐっと近づく夜一に少し後ろに身を引く


「なるほど、喜助の好きそうな顔になったの」

「…?」


夜一は何か気になるのか、紫苑の顔を更に見つめる


「あの…」

「お主…」


夜一は頭の中の記憶を手繰る


「前に、どこかで会わなかったか?いや、赤子の頃ではなく…」

「会ってないと、思いますけど…」


夜一は顎に手を置き、うーんうーんと唸る


「そうじゃ!あの女子に似ておる」

「女子?誰っスか?」

「喜助の初恋の相手じゃ」


は、初恋?

だってこないだ、恋をしたことがないって…

でも夜一さんといえば、浦原隊長と幼馴染みだと聞くし、そういうことを知っていても不思議ではない


「だから、何度も言いますけど、初恋の相手なんて居ませんよ。夢でも見たんじゃないスか?」

「うーん…しかしあれは確かに喜助じゃったしのぅ…。問うても否定せんかったし…」

「覚えてないんですか?」



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