第34章 お仕置きっス
第34章 お仕置きっス
翌々日─
あー……そういえばシャワー浴びた時に髪紐置いてきちゃった
昨日は喜助さんがお休みをくれたから縛るのすら忘れてて気にはならなかったものの、仕事に行くとなって思いだし、こんな時に限って替えも見当たらない
しょうがない
このまま行くしか…
喜助さんはまた一足早く仕事に向かった
相変わらず忙しい人
「おはよう、琴乃」
「おはよ、紫苑。珍しいね髪下ろしてるの」
「髪紐置き忘れちゃって、探してくるね」
はーいと軽い返事をした琴乃に違和感を感じて、歩き始めた足を少し戻した
「あのあと平子隊長と何かあった?」
「べ、別に何もっ」
「ふーん…」
紫苑は怪しい笑みを浮かべながら、琴乃の首筋をトントンと指先で叩いてから、じゃあねと言ってシャワー室に向かった
「な、何よ紫苑のやつ」
まさか…
気になって近くの鏡で首筋を確認すると、赤い痕がくっきり残っていた
「……っ……真子のバカァ!」
五番隊隊舎─
「へっくし!」
「平子隊長、風邪ですか?」
「いや、俺がエェ男すぎて誰かが噂してんのやろ」
「だといいですね」
「あァ?」
…
髪紐……髪紐……
「んー、無いなぁ」
結構気に入ってたのになぁ
誰か捨てちゃったのかな
しょうがない
諦めて執務室に戻ると、なんだか隊員たちが落ち着かない様子でソワソワしている
「ん?どうかしたの?」
意を決した一人の男性隊員が紫苑に近づいてくる
「あの、西園寺さんですよね?」
何を今更なことを聞いてくるのかな?