第31章 平子サンとは何を話したんスか?
お湯の暖かさと唇から発する熱で溶けてしまいそう…
「ん、どこ触って……っ」
「いいじゃない、誰もいないんスから♪」
「誰か来たらどうするの……っ」
「来ないっスよ。ここ夜一サンしか知らないし」
夜一さんとここで2人で会ったりしてるのかな、ってちょっと胸がチクッとした
「その夜一さんっ……が来た……ら、どうする……のッ」
甘い吐息が漏れる
白い肌に真っ赤な華が咲いていく
「来ませんよ。鍵かけといたから」
「鍵って何……ぁんッ……」
「夜一サンはいいから、紫苑はボクのことだけ考えて……」
広い空間に、響く水音
もう夜一さんのことなんて頭に無かった
目の前の快楽に、目の前の愛しい存在に
脳が支配される
求めるままに、愛し合った
…─
「喜助のやつめ……こんな鍵をかけおって……」
夜一が入り口に手を掛けるとバチッと弾く結界
そっと中の霊圧を確認すると、よく知った霊圧を2つ感じた
「今日のところは気を利かせてやるとするかの」
しかし喜助のやつ
今まで誰にも教えたことがなかったと言うのに…