第28章 喜助さん…ごめんなさい
第28章 喜助さん…ごめんなさい
翌朝─
早朝に呼び出されたボクは、まだ寝ている紫苑に申し訳ないと思いながらも小声で声をかける
「紫苑、ごめんね。先に行くね」
ボクが部屋を出ようとしたとき
「喜助さん…今日お休みしてもいい?」
「ん?あー今日は人数少ないから休まれるとちょっとキツイんスけど…体調良くない?」
「ううん、大丈夫。薬飲んでおくから」
「無理はしちゃダメっスよ」
じゃあ行ってきます、と急いでいたのもあって深く考えずに答えた
生理の時に貧血がひどくなるのも分かっていたけど、薬を飲めば毎月平気そうだったから
「行ってらっしゃい」
重い腰をあげてトイレに立つと、やっぱり…と気分不良の原因を確信した
「薬、薬…っと」
引き出しの中を探すも目的のモノが見当たらない
「え、嘘…ない」
あると思っていたストックがなくて、軽く絶望した
四番隊に貰いに行かなきゃ…
遅れるってとりあえず連絡しよ
そう思って伝令神機を取り出す
ピピピピピ─
するとそのタイミングで緊急伝令が届く
え?流魂街に虚?直行しろ?
まだ夜勤がいる時間なのに…
あ、でも喜助さん人数少ないっていってたっけ
行くしか…ないよね…
伝令神機をしまうと、身支度を整え部屋を後にした
…─
「おはよ、紫苑も呼び出されたの?」
「琴乃も?ついてないよね」
他にも数名の隊員がいた
「紫苑顔色悪くない?」
一瞬視界がグラッと歪んだようにみえた
あ……れ?
「紫苑?」
「え?あ、うん平気…」
「東雲!西園寺!戻るぞ!今日は人手が足りないから急ぐぞ」
先輩に急かされて瞬歩で隊舎に向かう
貧血で瞬歩なんてちょっとキツイかも…
案の定隊舎に着いてすぐに座り込んでしまった