第27章 私、いつから…
「今日は…調子良くないので別日にしてください…すみません」
「はァ?」
そう言って琴乃は足早に消えていった
「なんやアイツ…具合悪いんか?」
平子が隣の紫苑に聞くと
「いえ、特にそんなことは……平子隊長、琴乃に何かしました?」
「いや、してへんよ。なーんも」
「平子サン嫌われちゃったんじゃないスかぁ?」
「いやだから心当たりあらへんて」
俺昼飯どうすんねん…
「奢られてあげてもいいっスよ?ね、紫苑」
「うん。食べに出る予定だったしね」
「琴乃サンはどうしましょう?」
「1人になりたいんじゃないかな。電子書簡だけ、入れておくね」
「あのな、奢るとは言うてへんからな」
えーと喜助と紫苑は笑いながら文句を言いながら、3人は十二番隊を出た
…─
「…なァーいつになったら、こないだの埋め合わせしてくれるん?」
「埋め合わせ…?」
「ドタキャンしゃーがって…体調は?」
話しかける前にしばらく様子を見とったことは…秘密や
「あーと、体調は大丈夫…ですけど」
「ホンマか?」
スッと額に貼り付くひんやりした手
少しだけ屈んで、目線を下げるとサラサラの金髪が私に触れそう…
「だ、大丈夫ですからっ」
「…なんや最近元気ないやんけ。ウチにも来ォへんし、弁当も作ってくれへんやんけ」
「…そんなこと」
「お前元気ないとなんか調子狂うわ」
平子の顔は段々と、琴乃を心配する顔になっていた
「なァ、俺なんかしたか?」
「……平子隊長が…」
「俺が…?」
東園寺さんに優しくするから…
その言葉が言えなくて、なんかこんなに気持ちが振り回されて、苦しくなる
「…なんでもないですっ」
「あ、ちょっ」
琴乃はその場を離れた
「なんでアイツ涙目…」
また逃げてしまった
平子隊長が十二番隊に来てくれるのは嬉しいけど、その度に東園寺さんとも仲良く話してるのが嫌
なんて言えないよ…