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With me

第27章 私、いつから…



第27章 私、いつから…



「十二番隊の東園寺です。こちら、お願いします」


隊員の書類のやり取りなんてのは、日常茶飯事やけどふと足が止まった


「隊長、どうされました?」


惣右介の質問にも答えんと、声のしたほうを見る


「どっかで聞いたこと…」

「すみません、もう一度…」


東園寺と名乗った女は、仕事を終え、平子のほうに歩いてくる


「お疲れ様ですっ」


平隊員が隊長に気さくに話しかけられるわけもなく、新人らしく足早に過ぎ去ろうとしていた


「なァ、何番隊やって?」

「え?私…ですか?」


話しかけられると思っていなかった彼女は、凄く驚いた顔をして振り返った


「えっと、十二番隊です…」


そこで思い出した

紫苑やひよ里や琴乃、喜助が言っとった女…

コイツか…


「東園寺凛音…」

「私のこと知ってるんですか?」

「まァ…有名やからな」


彼女はキョトンとした

自分が有名な理由を分かっていないらしい


「喜助に惚れとるんやっけ?」

「えっ、こ、こんなところで言わないでくださいよっ」


こんなところっちゅーても、ほぼ周知の事実やしなァ…

本人知らんみたいやけど


「あの、なんで知ってるんですか?」

「なんでもなにも、自分紫苑に喧嘩売ったらしいやん」

「け、喧嘩ってわけでは…」


周りが物珍しそうに見ていく

隊長と、他隊の新入隊員が話しているだけで、異様な光景らしい


「隊長、場所を変えられては?」


見かねた惣右介が移動を提案する


「せやな」


ちょっと東園寺に興味のあった俺は、その提案に乗った


「惣右介は戻っとき」

「いえ、しかし…」


ほぼ初見の隊員と、自隊の隊長を2人きりにさせるわけには…


「エェから」

「…分かりました」


頭を下げて去る姿を見つめながら、横で小さくなっている女に声をかけた


「別に緊張せんでええって」

「いえ、でも…」

「ちょっと話してみたかっただけやし」


そういえば平子隊長って…


「あの、浦原隊長や西園寺さんと、仲良いんですよね…」


私が嫌がらせしたことも、知ってたりするんだろうか…


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