第26章 気づいたら、体が、顔が勝手に…
第26章 気づいたら、体が、顔が勝手に…
3日後─
年に2回ある定期的な隊舎の大掃除の日
「で、なんでここに居るんや?」
「嫌…ですか?」
うるっとした瞳で見つめてくる紫苑
アカンて、わざとやろ…
「あー平子サンが紫苑泣かしたー」
「いいい嫌じゃない!むしろ大歓迎やけど!」
「だって。よかったね、紫苑」
「はい!今日1日よろしくお願いします!」
全然話がみえへん…
「つまり、今日偶数隊が大掃除なんで、掃除じゃない奇数隊の平子サンとこで、紫苑預かってほしいんです」
「それはあれか?喘息の?」
「そっス。ほら埃とか舞うでショ?」
あーなるほどなァ…
確かに喘息で大掃除の参加は無理やな
四番隊も偶数隊やし
「で、なんで俺んとこやねん」
「そりゃボクだってこんな狼のところに行かせたくないっスよ?」
「誰が狼やねん」
頬杖を付きながらお茶を啜る
「紫苑男アレっスから…他の隊には怖くていかせられないんス」
うんうんと俺を見ながらうるうるお目々で見つめられたら、ドキドキしてまうやんけ
「平子サンは い ち お う 平気みたいなんで」
「相変わらず一言多いやっちゃのー」
「ちなみに、紫苑に手出したら平子サンの指1本ずつ切り落としてホルマリン漬けにして五番隊隊舎前に置きますね」
いや怖い!めっちゃ怖い!
「喜助ならほんまにやりそうや…」
額から温い汗が垂れる
「まぁそういうことなんで、よろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします!」
わーったわーったと、両手を上げる平子
「じゃあ紫苑、迎えに来るからそれまでこの狼サンに食べられないようにね」
「た、食べ…っ」
「顔赤くしちゃってかーわいーっスねぇ、もぅ」
頭をくしゃっと撫でて抱き寄せると更に赤みを増す頬
「あとお昼も来るね。いい子で待ってるんスよ?」
「うん、お仕事頑張って」
ちゅ、とわざとらしく音をたててキスをすると、目を丸くして両手で頬を隠す紫苑
ぽっと効果音が付きそう
「人の隊舎でイチャイチャすんなや!ボケ!」
「あ、そうそう平子サン」