第22章 ちょっと心配性なんですかね
カクンッと首が落ちたのをきっかけに紫苑はハッと目を見開く
「ね、眠くない…」
8割方乾いてきたからもう少し…というところでまた紫苑の首が落ちる
「やっぱ眠いでショ」
「でも、もっと喜助さんとお話したい…」
もう既に半分閉じている目を擦りながら、こちらを振り返る紫苑が愛しい
ドライヤーを止めると、紫苑から離れ布団を敷く
彼女は蹲るように縮こまっている
「ほら、おいで」
半ば無理矢理紫苑を抱き上げると、一瞬驚いたものの眠気に勝てなかったのか大人しく抱かれている
「今日は疲れたでしょう」
あれだけの高熱と吐き気の副作用と闘ったんだ、無理もない
追い討ちをかけるように水なんかかけられて
ゆっくり紫苑を布団におろすと、肩まで掛け布団をかける
もう、彼女は夢の中だった
「おやすみ」
白い額にキスを落とすと、喜助は柔らかく微笑んだ