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With me

第1章 この子どこかで…



第1章 この子どこかで…




私の家は瀞霊廷の北のほうにある

大貴族というわけではないけれど、何人か使用人もいて、それなりのお金もあって何不自由なく暮らしていた

私はそこの1人娘で、それはそれは大事に育てられた


お母様もお父様も死神だったけど、お父様は任務中の事故で霊力のほとんどを失ったと聞いている

お母様はそんなお父様について死神を依願除隊して、結婚して家に入った

使用人の東雲さんは霊力はなかったけど、子供の琴乃は私と同じくらいの霊力を持っていた


「そっか、2人とも霊術院に入れたんですね」


少し寂しそうな顔で言うのは、私の家の使用人の1人、工藤さん

若いながらも要領が良くて、人当たりの良い好青年って良く言われてる


「うん、今朝入学許可証が届いて」

「あー工藤さては、寂しいのね!」


茶化すように、工藤の腕をつつくのは東雲さんの娘の、琴乃

琴乃も同じ使用人で、私の親友でもある


「べ、別にっ…琴乃と離れる時間ができて清々する!」

「素直じゃないんだから、ふふ」


2人のいつものやり取りを私は微笑ましく見ていた


そしてそんな私たちを見つめる両親

お母様は、お父様に支えられ表に出てきていた


「霊術院に行ってる間は工藤、お屋敷をよろしくね!」

「よろしくね、工藤さん」

「もちろんです!」


今日のお母様とお父様はいつもより、真剣な表情をしていた


「誰かいるの!?」


突然大きな声を出したお母様

それにつられて皆が臨戦態勢を取る


「お母様、なにか?」


木の上を凝視するお母様

私もそこを見たけど、何も感じなかった


「いいえ、気のせいだったのかもしれませんね」


しばらく警戒をしていたが、徐々にその警戒も薄れていった


「紫苑、後で話しがあります」

「…はい」


夕食を終えて呼ばれたのは、お母様が持っていた斬魄刀が納められている部屋


「これを紫苑、あなたに」

「え?」

「お前の斬魄刀だ」

「でも、これはお母様の…それに、これに近づいてはいけないと…」

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