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With me

第22章 ちょっと心配性なんですかね



第22章 ちょっと心配性なんですかね




それから数日、すっかり体調も戻った紫苑は最後の4つ目の薬を試すことになった

それは青く、雫の絵が描かれたものだった


「紫苑、本当にいいんスか?」

「やらないと進まないし、ね?」


とはいえこないだの試作品は思ったよりも副作用が強くて、そのせいでちょっと気まずくなったりして…


こんなこと言ったら申し訳ないけど、あまり気が進まなかった


「いただきます」


薬を口に含んだ紫苑の、それを飲み込んだ後の表情に心がザワつく…


「紫苑!どうしました?」


紫苑の目にはうるうると涙がたまっていく


「し…」

「し?」

「舌噛んじゃった…」


あぁそれは痛い…

座り込む紫苑の前に膝をつく

ペタンと座り込む紫苑と、片膝をついたボク

元々の身長差も手伝って、未だうるうるとした目でボクを見上げる紫苑


ドキドキドキドキ…


そんな目で見つめられたら…


紫苑の頬にそっと手を添える

え?という顔をする紫苑に構わず顔を近づける


「喜助ー、こないだの……って、何イチャイチャしとんやー!」


ビクンと体を揺らして紫苑の頬から手を離す


「まーた邪魔されちゃったね」

「もぅ!恥ずかしい…」


所構わずそういうことをしようとするんだから…


喜助さんと別れ、執務室に向かう

今のところ体に異常はない

順調に仕事をこなしていく

今回の薬はアタリかな?


「紫苑ー調子良さそうやんな」

「ひよ里さん、悪くないですよ」

「ならこれ十三番隊に持っていってくれんか?隣やからすぐやろ」


ひよ里さんに書類を渡され、行ってきますとひよ里さんに背を向ける

ひよ里も反対の方を向く


途端心臓に重いものが乗ったかのように、体が重くなる


「……ぅ…」


ガタンッ─


思わず壁に手をかけ膝をつく


「紫苑?」

「っ……」


体が熱い…

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