第21章 保護者みたァやな
喜助さんは時間があるときはたまにご飯も作ってくれる
それがなかなか美味しくてちょっとジェラシー感じてたりして
「なんスか、なんか言いたそうっスね」
キョトンとした顔で私の顔を覗きこんでくる
「ん、なんか新婚さんみたいだなって思って」
「またそんな可愛いこと言って」
「ふふ」
喜助さんは台所に向かい食事の準備を始める
「……紫苑がお嫁サンになってくれたら……」
思わず独り言のように漏れた言葉
自分で驚く
これってほぼプロポーズっスよね?
言ってちょっぴり後悔
まだ付き合って1年もたっていないのに、紫苑だってきっとまだそんなことまで頭にないだろうに
後悔はしたものの、発言を撤回するのも違うと思い、内心物凄くドキドキしながら紫苑の言葉を待つ
「え?ごめん聞こえなかった。今なんて?」
「ぅえ?!い、やなんでもないっス…」
そんなことあります?
そりゃ不意に出た独り言みたいなやつっスけど…
台所に向かっていてよかったと思った
今自分がどんな顔してるかわからない
だけど、言った言葉に嘘はない
紫苑がお嫁サンになってくれたら嬉しいっス