第20章 キミが欲しい
「ごめんごめん、ちょっと激しくしすぎちゃったね」
「ちょっとどころじゃないもん…」
「もうちょっとこうしてよっか」
「ん…」
いつも照れてばかりの紫苑が素直に甘えてくる
可愛い…
「喜助さん」
「なぁに?」
「今年もよろしくね」
「こちらこそ」
そうしてまた暖かい腕の中で#NAME1は#眠りについた
幸せそうな寝顔
それを見つめる喜助もまた、幸せそうに目を細めた
ずっとこのまま、時が止まればいいのに…
そして独り言のように、呟いていた
「紫苑…」
愛してるよ…
「一緒に暮らそう…」
言いたくて、でも断られるのが怖くて飲み込んでいた願望が不意に口からこぼれでて、思わず口をおさえた
寝てるから…大丈夫か…
「…いいの?」
心臓が跳ねた
「あれ、寝たんじゃなかったんスか?」
「…喜助さんの部屋で?」
喜助の一言で目が覚めた紫苑は喜助の問いにも答えず、さっきの話しの続きを急かす
「紫苑がよければ…だけど」
「嬉しい…私も喜助さんと、少しでもいいからもっと一緒に居たい」
「は~もう紫苑可愛いすぎるっス」
ぎゅーうっと紫苑を抱き締めると、いたっと顔をしかめる紫苑
「あ、ごめん…これじゃしばらく仕事にならないっスね」
「それは困ります」
「大丈ー夫。ボクがやさしーくマッサージして、湿布貼ってあげますからね」
「湿布だけでいいです」
「またまたぁ」
どちらからともなくクスクスと笑う
2人は昼過ぎまで布団の上で、まったりとした時間を過ごした