• テキストサイズ

With me

第20章 キミが欲しい



第20章 キミが欲しい




1年の最後の日

早朝から雪が降っていた

うっすら積もりだしてた雪

もしや夜中から?

寒いはずだ

早く起きた紫苑は早々に調理場に立った


「2人だから小さいのでいいかな…」


シャカシャカと材料を混ぜる音

部屋には甘い匂いが立ち込める


「よし、できた!」


箱に詰めると身支度を整えて部屋を後にした

朝日が登り始めた頃

喜助の部屋についた紫苑は、襖を開けるのを戸惑っていた


ど、どうしよう…

思いつきで来ちゃったのはいいけど、まだ寝てるだろうし、起こしちゃったら申し訳ないし…

ていうか寒いし…

やっぱり入っちゃお

喜助さんならきっと許してくれるよね


そ……っと襖を開けると布団の中で規則正しい寝息をたてる喜助さんがいた


キュン


無防備な寝姿に胸が小さく鳴る


布団入っちゃお


喜助を起こさないようにこっそりと潜り込む

よほど疲れているのか熟睡してまったく微動だにしない

喜助さんの匂いがする…

体温で温まった布団にひんやりとした自分の体が入る

起きてしまわないだろうか

本当はぎゅっと抱き着きたい衝動を我慢して、紫苑は喜助の手を握る

これくらいいいよね


朝が早かったこともあり、紫苑は喜助の隣で再び眠りについた




…─




朝、目が覚めると隣に紫苑がいた


朝から珍しく心臓が脈を打つ


「いつ来たんスか…」


気づくと自分の左手は紫苑の右手と繋がっていて、彼女は申し訳なさそうに体が半分布団の外に出ている


冷た…


布団から出てしまっている彼女の半分は冷気を帯びてひやっとする

喜助は紫苑を優しく抱き寄せると布団にしっかりと入れた


/ 761ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp