第18章 ボクの前では我慢しないで
待って…
かわいすぎる…
喜助も紫苑を抱き締め返す
「ヤキモチも、寂しいも、我慢しなくていい…そのままボクに伝えて?どんな紫苑も大好き…全部、受け止めてあげるから」
「喜助さん…大好き」
「ボクも大好きだよ…紫苑」
「喜助さん…キスして…」
ドキッ─
紫苑からおねだりされたのは、初めてだった
「お願い…」
ドクンドクンドクンドクン─
胸の鼓動がいつもよりうるさい…
キスなんてもう何回もしてるのに、なんでこうも緊張するんだろう…
紫苑の顔を両手で優しく包むと、静かにキスを落とす
さっきまで涙で濡れていた頬が冷たい
「なんか、めちゃくちゃ緊張しました…」
「喜助さんも緊張することあるんですね」
「ボクの愛伝わった?」
「んーまだかなぁ…まだアレ貰ってないですし」
アレ?って…?
意外な言葉に喜助は頭をフル回転させる
「もしかして、お土産?それで拗ねてるの?」
「す、拗ねてませんっ」
「ごめんごめん、遅くなっちゃったっスね。はい、これ」
紫苑に小さな袋を渡す
「なんですか?これ?お茶?」
「ハーブティーだよ。タイムっていったかな?喘息に効くみたい」
「そんなものがあるんですね!喜助さんありがとう!」
「金平糖の売ってるお店は開いてなかったから、ごめんね」
「喜助さんが私の為に考えて選んで買ってきてくれたものならなんでも嬉しいです!」
あぁボクは、この笑顔が大好きだ
できるなら、ずっとずっとこの手で、この子の笑顔を守りたい
紫苑が笑っていてくれるなら、ボクはどんなに苦しんだっていい
紫苑、愛してるよ…
ずっとボクのものでいて…