第2章 私もどこかで…
第2章 私もどこかで…
1年後─
私と琴乃は六回生に進級した
私も琴乃も自身の斬魄刀の始解ができるようになっていた
私は斬魄刀の名前を知ってはいたものの、きちんと力として使えるようになったのは最近
特に琴乃は始解を会得してからというもの、ぐんぐんと実力をあげていった
体術や剣術なんかは琴乃のほうが得意で、それとは反対に私は鬼道や回道が得意だった
「ねぇねぇ、今日は五番隊と十二番隊が来てるらしいわよ!」
「え、五番隊!じゃあ藍染副隊長も来てるかな!」
六回生たちはここ最近落ち着きがない
それもそのはず、毎年この時期は護廷十三隊の方たちが、優秀な六回生を自隊に入れるべく、しばしば霊術院にやってくる
十二番隊…浦原隊長の隊だ
来てるかな…浦原隊長
ていうか、私のこと覚えてる…よね
なんかやっぱりそわそわしちゃう…
浦原隊長に、会えるかな
「あ、いたいた紫苑サーン」
「浦原隊長!」
「久しぶりっスね。元気にしてました?」
「はい、お陰さまで!」
浦原隊長と会うのは、あの事件以来
一学生という身分ではそう簡単に会えないんだろうなって、きっとまた会えるのは何年も先なんだろうなって思ってたから
…どうしよ、嬉しい
「紹介しますね。ボクの副官の猿柿ひよ里サンです」
「初めまして猿柿副隊長。6回生の西園寺紫苑です。浦原隊長には以前危ないところを助けてもらったことがあって」
「……なんやめっちゃエェ子やんけ。喜助にはもったいないわ」
なんの話ですか、と2人からの目線をもらう
「ひよ里でエェで、紫苑」
「え、でも…」
「エェって言うてるんやからエェの!」
ひよ里は紫苑を下から見上げ、凄みをきかせる
「わ か っ た か?」
「は、はい。ひよ里…さん?」
「よし」
かなり強引な人
それが紫苑からの第一印象だった
「はーこの娘が喜助のお気に入りかいな」