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With me

第1章 この子どこかで…



そう、琴乃が触ると攻撃することもなく大人しくしている

雪姫に聞いてもまともに答えてくれたことはない


「ねぇ紫苑、1個気になってるんだけど…」

「なに?」


琴乃は顎に手を添えると、先日のことを思い返していた


「工藤がさ…物心ついたときから、時々支配されてたとかなんとか言ってたじゃん…」

「物心ついたときから…虚が居たって…こと?」

「そうだと思うんだけど…」


私たちは生まれた時から一緒にいる

そんなことになってる工藤さんに、誰も気づかなかったんだろうか…


「1人で、苦しんでたのかな…」

「気づいてあげられれば良かったね…」


しんみりした空気になったのを悪いと思った琴乃は話題を変えた


「ごめんごめんっ、暗くなっちゃったね。浦原隊長にまた会いたいね」


と言われても相手は護廷十三隊の隊長

仮に自分たちが入隊したとしても、平隊員と隊長では滅多に会えないと聞く


「うん、また会えたらいいな」

「紫苑はさー、何番隊が良いとかあるの?」


そっか

もう来年には、希望する隊を決めなきゃいけないのか…


「そうだなー。特に無いけど、強いて言うなら四番隊かな」

「そっか、鬼道とか回道とか得意だもんね」


入院してる間も、四番隊の隊員たちはとても良くしてくれた

手際も腕も良くて、きっと指導や教育が行き届いてるんだろう


「琴乃は?」

「私は紫苑と一緒なら何処でも良いかなっ」


琴乃は時々、こんなことを恥ずかし気もなく言ってくる

たまにドキっとする


「えーそんなのでいいのー?」

「だって私が居ないとさみしいでしょ?」

「別にー?」

「えー紫苑ひどいっ」

「ごめんごめんっ」


そんな話しをしながら、2人は寮への道を歩いた


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