人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 特別講師とは?
「巨人のエサになりたくねぇなら訓練から死ぬ気でやれ。ただし実際訓練で死んだら処理が面倒だから死ぬんじゃねぇぞ」
「「「はっ!!」」」
訓練開始早々に俺の放った言葉によってガキどもの顔が一瞬にして引き締まり敬礼の拳にも力が入ったのが分かる。
訓練兵団に入って1年は経っている為か青ざめたりザワザワうるせぇよりはまぁ、マシな反応だな。
今日俺が立体機動の訓練で面倒をみるガキどもは名簿によると20人。
通常の立体機動訓練で優秀な者や既に調査兵団を希望している者が選抜されているらしいが……
面倒くせぇな。
本来ならエルヴィン自ら講壇に立ち、壁外の話やら何やらを聞かせて調査兵団への募集をかける筈だったのに王都での緊急会議で来れなくなくなった為、俺に代役がまわってきやがった。
『お前の目で、調査兵団で生き残れる奴がいるか見てきてくれ』
講義を座学から立体機動の実技に変更しておいたからと続けるエルヴィンの言葉を思い出しため息が出る。
どんなに優秀な奴でも壁外で生き残れる確証なんて無いことはアイツが1番分かっている筈だろう。
だが、とにかくエルヴィンからの指示を了承したからにはこれは任務だ。やらないわけにはいかねぇ。
巨人の模型を削ぎながら立体機動で森を飛ぶガキ共を見ると個々に改善点はあるものの、教官が選抜したメンバーと言うこともあり基本的な動きは問題無さそうだ。
ただ、1人気に食わねぇ野郎がいる。
周りと比べてやたらと動きに余裕がある癖にわざとスピードを落としてやがる。
模型巨人の討伐もさりげなく他のやつに譲っているように見える。
立体機動でそいつの横について声をかける。
「おい、お前ちょっと止まって名乗れ」
近くを飛んでいた別の訓練兵にそのまま続けるように伝えてからでかい枝に着地する。
少し遅れて隣に着地した訓練兵を改めて見れば背は俺より低く男というより少年という方がしっくりくる。
「あ、あの兵長自分は何か」
「ガキ、俺は名乗れと言った筈だな?それともてめぇはそんなめんどくせぇ名前なのか?」
「も、申し訳ありません!アーニャ・マクドルです!」
ハスキーで良く通る声だな、なんてどうでも良いことが頭によぎったがアーニャ・マクドルの名を名簿から探しだす。