人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 卒団、そして入団
この扉だけやけに大きく、重たそうに見えるのは私だけだろうか……
明日からの訓練スケジュールや所属班の説明、ジャケットや外套の支給、団長への挨拶が終わり、私は今、リヴァイ兵士長の執務室の前に立っている。
とりあえず呼ばれるままに来てみたが、何を言えば良いのだろうか、今日からよろしくお願い致します?
というか、兵長は今執務室にいらっしゃるのか?もし不在だったら置き手紙とかした方がいいのか?むしろ待ってるべき?
「いつになったら入ってくるんだ?」
「どわぁ!!!」
いきなり目の前の扉が開いて呆れ顔のリヴァイ兵長が私を見下ろしていた。
「えっと、あの……」
結局なんと挨拶して良いのか決まらなかった為にしどろもどろになっていると兵長が小さく舌打ちをして入れと言われる。
し、舌打ち…なんか早速イラつかせてしまったのだろうか…
言われるがままに入室して扉を閉める。
とにかく敬礼して挨拶せねばと振り返るとかなり近くに兵長が立っていて敬礼する間もなくいきなりぐしゃりと頭を掴まれた。
「テメェ、なんだこの頭は」
「え?あ、あたま?ですか?」
な、なんでそんなに兵長は怒っていらっしゃるのか、頭?え?え??
眉間にシワを寄せ至近距離で睨まれている状況に訳がわからないが今朝リリアに言われた言葉を思い出す。
兵長に怒られても知らないって言ってたなそう言えば…まさか初日に怒られるとは思わなかった。リリアにどういう意味なのかちゃんと聞いておけばよかった。
「なんで固めている。この前はやってなかったろうが」
「あの、今日から調査兵団ですし、気合いを入れようかと…」
またチッと舌打ちをされたかと思ったら今度はぐしゃぐしゃっと頭を撫でられた、つ、強めに。
きっと私の頭はボッサボサになっているだろう。
「やめろ」
「へ?セットしてはダメ、なんでしょうか?」
まさか本当にそんなルールが??
私に背を向け部屋の隅にある簡易キッチンのような場所で手を洗う兵長。多分私の整髪用の油が手についてしまったのだ、あんなにガシガシ触るから…
「あぁダメだ。触り心地が悪い、手が汚れる。」
真っ白いハンカチで手を拭きながら分かったな?と言われるが、いやいや分からない。
「立体機動で飛んでいるときも髪が散って邪魔なのですが…」
「慣れろ」